2017年11月1日、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)」が施行されました。
技能実習制度は従来から「出入国管理及び難民認定法(入管法)」とその省令を根拠法令として施行されてきましたが、今般、新たに技能実習法とその関連法令が制定され、これまでの入管法令で規定されていた多くの部分が、この技能実習法令で規定されていることになりました。
技能実習制度の歴史
1990年 | 在留資格「研修」の新設(従前の企業単独型の受入れに加え、団体監理型の研修の導入) |
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1991年 | 国際研修協力機構(JITCO)設立 |
1993年 | 技能実習制度の創設(在留資格「研修」+「特定活動」での最長2年の受入れ開始) |
1997年 | 一部職種の技能実習期間延長(最長3年) |
2010年 | 在留資格「技能実習」の新設 |
2017年 | 技能実習法の施行 |
2019年 | 在留資格「特定技能」の新設 |
外国人技能実習制度とは
外国人技能実習制度は、1960年代後半頃から海外の現地法人等の社員教育として行われていた研修制度が評価され、これを原型として1993年に制度化されたものです。
技能実習制度の目的・趣旨は、我が国で培われた技能、技術又は知識(以下「技能等」という)の開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与するという、国際協力の推進です。
制度の目的・趣旨は1993に年技能実習制度が創設されて以来終始一貫している考え方であり、技能実習法には、基本理念として「技能実習」は、労働力の需給の調整手段として行われてはならない(法第3条第2項)と記されています。
開発途上地域等の人材育成ニーズに応えるとともに、受入れ企業にとっても、外国企業との関係強化や経営の国際化、社内の活性化に役立つといった効果があります。
技能実習法の概要
技能実習の適正な実施 | ①技能実習の基本理念、関係者の責務及び基本方針の策定 ②技能実習計画の認定制 ③実習実施者の届出制 ④監理団体の許可制 ⑤認可法人「外国人技能実習機構」の新設 ⑥事業所管大臣等への協力要請等の規定の整備及び関係行政機関等による地域協議会の設置 |
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技能実習生の保護 | ①人権侵害等に対する罰則等の整備 ②技能実習生からの主務大臣への申告制度の新設 ③技能実習生の相談・通報の窓口の整備 ④実習先変更支援の充実 |
制度の拡充 | ①優良な監理団体・実習実施者での実習期間の延長(3年→5年) ②優良な監理団体・実習実施者における受入れ人数枠の拡大 ③対象職種の拡大(地域限定の職種、企業独自の職種、複数職種の同時実習の措置) |
技能実習生人数枠
第1号 (1年間) | 第2号 (2年間) | 優良基準適合者 | |||
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第1号(1年間) | 第2号(2年間) | 第3号(2年間) | |||
基本人数枠 | 基本人数枠 の2倍 |
基本人数枠 の2倍 |
基本人数枠 の4倍 |
基本人数枠 の6倍 |
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実習実施者の常勤職員総数 | 技能実習生の人数 | ||||
301人以上 | 常勤職員総数の20分の1 | ||||
201人~300人 | 15人 | ||||
101人~200人 | 10人 | ||||
51人~100人 | 6人 | ||||
41人~50人 | 5人 | ||||
31人~40人 | 4人 | ||||
30人以下 | 3人 |
- 常勤職員には、技能実習生(第1号及び第2号)は含まれません。
- 第1号技能実習生の人数が、常勤職員の総数を超えることはできません。
また、第2号実習生数は常勤職員の総数の2倍、第3号実習生数は常勤職員の総数の3倍を超えることができません。 - 常勤職員とは、社会保険加入者数をいいます。
- 特有の事情のある職種については、事業所管大臣が定める告示で定められる人数になります。